糖尿病内科について
糖尿病とは、膵臓により作られるインスリンの働きが十分でないために、血糖値が上昇する病気です。糖尿病およびその合併症は、進行するまで症状が出ないため、定期的な通院・検査がとても大切です。
血糖値の高い状態が持続すると、全身の血管が障害され様々な糖尿病合併症が発症します。これらの糖尿病合併症を予防するためには、早期発見と早期治療が大変重要とされています。
糖尿病の初期は自覚症状に乏しく、痩せたり口が渇いたりといった症状は病気が進行してから現れ、大きな合併症が起こってから診断されることが少なくありません。そのため、健康診断で「血糖値が高い」「尿に糖が出ている」などの異常を指摘されたり、「のどが渇く」「尿意が頻回」「体重が急激に減っている/増えている」など“少し気になるサイン”を見つけた段階で、できるだけ早く医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようお勧めします。また糖尿病の家族歴のある方は、より注意が必要です。
患者様が上手に糖尿病と付き合っていけるよう、医師、看護師、管理栄養士、薬剤師などスタッフ一同サポートさせていただきます。
対象疾患・症状
糖尿病と一口に言ってもいくつかの種類があり、それぞれで原因が異なります。
主な種類として“1型糖尿尿” “2型糖尿病” “妊娠糖尿病” “その他のタイプ”があります。
1型糖尿病
インスリンを分泌するすい臓の細胞(膵β細胞)が破壊され、インスリンが分泌されなくなるために起こる糖尿病です。はっきりとした原因はわかっていませんが、免疫機能の異常によって起こるのではないかと考えられています。15歳以下の子供に多くみられる場合と、30~50歳頃に発症するケースがあります。
発症から数日でインスリンが全く分泌されなくなり、急激に発症する場合もあれば、数ヵ月から数年かけて緩徐に発症することもあります。なお、このタイプの糖尿病は、インスリン分泌の低下が原因であるため、基本的にはインスリン注射が必要となります。
2型糖尿病
日本人の糖尿病の9割以上がこのタイプの糖尿病とされており、一般的に「糖尿病」とは2型糖尿病のことを指します。発症要因としては、遺伝的な要因(血族に糖尿病の方がいるなど)に加えて、過食、肥満、運動不足、ストレス、加齢などの環境要因が考えられており、生活習慣病の1つとされています。
2型糖尿病は、インスリン分泌量の低下、分泌タイミングの遅延、インスリンが効きにくくなる(インスリン抵抗性)などによって発症するため、患者さんの状況や状態によって治療の方法が異なります。自覚症状がないからといって放置しておくと、合併症の進行につながる恐れがあるため、健診等で血糖値の異常を指摘された場合などは必ず受診して適切な検査・治療を受けるようにしましょう。
妊娠糖尿病
妊娠中に初めて発見された糖代謝異常のことで、胎盤から分泌されるホルモンの作用でインスリンの働きが抑えられたり、胎盤から出るインスリンを壊す作用を持つ酵素が生成されたりすることで起こります。
妊娠糖尿病になると、母体では早産や羊水量の異常、またお腹の中の赤ちゃんにも巨大児や形態異常などの影響が現れる場合があります。
したがって、妊娠糖尿病は厳格な血糖値の管理が必要です。食事・運動療法による効果が不十分な場合は、内服薬の使用が難しいため、インスリン治療を選択します。
その他のタイプ
内分泌疾患や肝疾患、遺伝子疾患などの他の疾患、感染症、免疫の異常、お薬の影響などが原因で糖尿病になる場合があります。
高血糖状態により現れる症状
〇 喉がよく渇く
〇 水分をよく欲する
〇 何度もトイレに行きたくなる
〇 食べても痩せる
〇 すぐにお腹が空く
〇 体がだるい
など
合併症により現れる症状
〇 手足の先がしびれる
〇 体がむくむ
〇 目がかすむ
〇 視力が低下した
など
治療と目的
糖尿病になり、高血糖状態が続くと血管がダメージを受けて、様々な合併症を招く恐れがあります。特に発症頻度の多い合併症として糖尿病性網膜症、糖尿病神経障害、糖尿病腎症があり、これらは糖尿病の3大合併症と言われています。
将来の合併症を予防するために、また既にある合併症の悪化を避けるために、血糖値を良好にコントロールするための治療を行います。糖尿病の大部分を占める2型糖尿病では、その原因が長年の食生活や生活習慣に起因することも多いため、まず食事療法・運動療法に取り組み、改善が十分でない場合に薬物療法の併用を検討します。お薬には、インスリン分泌を促すもの、インスリンの効果を高めるもの、血糖の吸収を遅らせるものなどがあります。
インスリンを直接補うインスリン注射などは、特に1型糖尿病の患者さまには不可欠です。
糖尿病教室
当院では、定期的に糖尿病教室を開催しています。当院の糖尿病専門医、管理栄養士、看護師をはじめ、処方箋薬局の薬剤師さんや外部の講師をお迎えし、糖尿病にまつわる色々なテーマを取り上げて、各回約一時間半の勉強会を行っています。他院に通院中の方や、糖尿病ではないけれど関心のある方の参加も大歓迎です。
開催日程や教室の様子は、「お知らせ」ページにてご案内しています。
【お知らせ】
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、腎臓病教室は当面の間、中止とさせていただいています。
再開の目処が立ちましたらあらためてお知らせいたします。ご理解のほどお願いいたします。